schizophrenie


epilogue



ギターを弾くのだ



僕にとって作詞というのはとても困難な作業です。

僕にとって僕の歌というのは決して娯楽ではなく

自分のあり方そのものだからです。

その自分のあり方は

ギターを弾く時の自分のあり方と一致せねばならず

また歌う時の自分のあり方と一致せねばならないからです。

自分がギターを弾き歌う行為が

より音楽的である事を切に願うからです。

日常の憂さを音楽で晴らすなどは

神の名を語り資金集めをする安っぽい宗教団体に等しい。

敬虔な信仰者が自らの行いによって

世の汚れから信仰を守ろうとする様に

僕は自分の心の汚れから音楽を守らなければいけない。

音楽の本質は自己完結を試みる事による祈りであり

コミュニケートする相手はカオスなのです。

混沌に調和を与えるなどは傲慢です。

只一人の人間としてその温もりをもって

カオスに触れる事こそが唯一必要な事です。

表現に対する強い欲求は表現を成就させません。

ただ無心に生きる事

そして無心にギターを弾き歌うこと(無意識にギターを弾くというのは中々いいです。)

だけど無心に詞を書くというのは

僕にはとてもむつかしい。

サボタージュには当然この様な結果が訪れます。

ギターと歌ばかりやってきて書く事を怠ったため

僕の言葉は踊る事を忘れてしまっている。



踊れとは言わない。

僕の言葉よ ギターを弾け

君が僕と共にある以上

君の生きる道はそれしかないのだ。

その手で 目の前のギターをつかみ

弾け ギターを弾くんだ

ポイントは 右の腰の上に身体を乗せて

左手と右手を向かい合わせる

そして まず最初の左手の誘いを右手で拒むんだ

命が愛へ そしてもっと下の方へ降りてくる

するとそこに新しい命の誕生を見つけるだろう

君は躊躇する 必ずするだろう

だけど君と僕は知っている

戦いを放棄した以上 そうするしか

この地上に僕たちの居場所がない事を

とおいあの日 パンドラを訪れた精霊は

今僕たちの元に訪れる

その光に触れ 新しい誕生をつかさどる時

僕たちは 去り行く命を見送るだろう

僕の言葉 その時に泣いてはいけない

夜が訪れ 君は眠ることが出来ないだろう

その夜のあいだ ずっと ギターを弾き続けるんだ

僕が君に送る言葉は 永遠の僕たちだ

新しい命に出会って そしてどうなるのか 君は知らない

君の目の前には ただ 見慣れたベールが広がるだけだ

忘れ去ってしまう事は悲しい事だと歌ってくれ

僕たちはその悲しみを きっと忘れてしまうだろうから

もう そんな悲しみも 本当にこれで最後なんだ

さようならと歌って ウソにまたがって流れよう

そして僕たちがどれだけ完全な友達だったのかを

あの日 僕が君に言ったこと

君が 僕を信じてくれたこと

僕たちの直感が 僕たちの他愛も無い贅沢な夢が

僕たちの生きてきた あのギターのエナメル質の光沢が

タイムマシンの名前を捨てて 

あのほんの偏った時間を行き来する

お前の あのギターを